本館 16室
2012年2月14日(火) ~ 2012年3月25日(日)
江戸時代、化粧は、歌舞伎や浮世絵、版本などを主な媒体として流行しました。たとえば『都風俗化粧伝(みやこふうぞくけわいでん)』は、100年以上にわたって女性に愛読されたロングセラーです。顔や手足・髪の手入れ、顔だちによる化粧の仕方、帯の結び方、歩き方、化粧品の製法から、なで肩にみせる方法にまで及んでおり、身だしなみのすべてが「化粧」に込められていました。
展示では、喜多川月麿(きたがわつきまろ)の肉筆美人画の代表作『姫君図(ひめぎみのず)』をはじめ、地肌の色にあわせた化粧、洗顔法や白粉(おしろい)の具体的な分量など、親切な解説が特徴の『当世化粧容顔美艶考(とうせいけしょうようがんびえんこう)』、女性と子供の様々な髪型を収録した『京都婦女髪形集(きょうとふじょかみがたしゅう)』などを中心に、化粧に関わる資料31件をとおして、江戸時代の人々が心がけていた化粧のあり方などをご紹介します。