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企画展示 特集陳列「拓本とその流転」

  • 『定武蘭亭序(独孤本) 王羲之筆 原跡=東晋時代・永和9年(353) 高島菊次郎氏寄贈』の画像

    定武蘭亭序(独孤本) 王羲之筆 原跡=東晋時代・永和9年(353) 高島菊次郎氏寄贈

    平成館 企画展示室
    2011年3月15日(火) ~ 2011年5月15日(日)

     古代の代の中国では、簡便な方法で複写をする拓本の技法が考案されました。現存する最古の拓本は、敦煌(とんこう)の蔵経洞(ぞうきょうどう)で発見された唐時代の「温泉銘」ですが、拓本の起源はそれ以前に遡ると考えられています。しかし唐時代の拓本は、ごく僅かしか残されていません。

     広義には、歴代の石刻を碑(ひ)と総称しています。碑は篆書(てんしょ)や隷書(れいしょ)や楷書(かいしょ)など、荘重で整斉な書体が多く用いられます。一方、書法を伝えるために木や石に名筆を刻したものを帖(じょう)といい、行書や草書など実用の書体が多くを占めています。

     毎年恒例となった東京国立博物館と台東区立書道博物館との連携企画、今回は中国の著名な拓本に焦点をあてます。書の学習において最も基本となる拓本をとりあげるだけでなく、その流転にも目を向け、拓本の見方はもとより、収蔵者や伝来の経緯についてもご紹介します。原石がすでに失われた貴重な唐拓・宋拓や、王羲之(おうぎし)の名品などを通して、拓本の魅力をお楽しみください。

 主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
孔子廟堂碑 虞世南筆 原跡=唐時代・貞観2年(628)頃 東京・三井記念美術館蔵(2011/4/17まで展示)
孟法師碑 ちょ遂良筆 原跡=唐時代・永徽16年(642) 東京・三井記念美術館蔵(2011/4/19から展示)
善才寺碑 魏栖梧筆 原跡=唐時代・開元13年(725) 東京・三井記念美術館蔵
定武蘭亭序(独孤本) 王羲之筆 原跡=東晋時代・永和9年(353) 高島菊次郎氏寄贈
西嶽華山廟碑(順徳本) 原跡=後漢時代・延熹8年(165) 香港中文大学文物館蔵(2011/4/17まで展示)
夏承碑 原跡=後漢時代・建寧3年(170) 香港中文大学文物館蔵(2011/4/17まで展示)
天発神讖碑 原跡=呉時代・天璽元年(276) 大阪市立美術館蔵(2011/4/17まで展示)
定武蘭亭序(韓珠船本) 王羲之筆 原跡=東晋時代・永和9年(353) 台東区立書道博物館蔵(2011/4/19から展示)
十七帖(上野本) 王羲之筆 原跡=東晋時代・4世紀 京都国立博物館蔵(2011/4/19から展示)

 

 連携企画

台東区立書道博物館 (http://www.taitocity.net/taito/shodou/
「拓本とその流転」 2011年3月15日(火)~2011年5月15日(日)

関連事業

平成館 大講堂  2011年3月19日(土)   13:30~15:00   受付終了
<ギャラリートーク>   拓本とその流転
平成館 企画展示室  2011年3月29日(火)   14:00~14:30