国宝 花下遊楽図屏風(部分) 狩野長信筆 江戸時代・17世紀
本館 2室
2019年3月12日(火) ~ 2019年4月7日(日)
麗らかな春爛漫の景。今からおよそ400年前の華やかなお花見の様子です。向かって左の屛風では、お堂の前で繰り広げられる風流踊り。刀を持った男装姿の女性たちは、慶長年間(1596~1615)初めに出雲の阿国(いずものおくに)が始めた歌舞伎踊りを舞っています。当時の最新ファッションを表した華麗な衣装と、軽やかな舞の群像表現は見ごたえ抜群です。縁側で見物する人々のリズムをとる描写も見逃せません。右の屛風には、満開の桜の下で酒宴を催す女性たち。中央部分は関東大震災で焼失しましたが、残された写真から当初の図様がわかります。ここでは、車座になってまさに宴の真っ最中。敷物に座る高貴な女性は、誰か特定の人物を描いたようにも見えます。全体の構図は、両端に配された樹木や建物、また屛風を囲むように巡る幔幕(まんまく)と中央の岩の配置により、あたかも2つの円形劇場を鑑賞するような仕掛けになっています。静と動、2つの遊宴を同時に楽しむ演出といえるでしょう。画中に捺された印章から、作者は狩野永徳の末弟・長信(ながのぶ、1577~1654)とわかります。桃山文化の息吹を伝える長信の傑作を、どうぞ心ゆくまでご堪能ください。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
おすすめ | 国宝 | 花下遊楽図屏風 | 6曲1双 | 狩野長信筆 | 江戸時代・17世紀 | A-11530 |