国宝 延喜式 巻四 紙背文書(部分) 平安時代・11世紀
本館 2室
2017年8月1日(火) ~ 2017年8月27日(日)
当館に伝わる国宝『延喜式』は、一度使用した紙を再利用して書写されています。そのため、紙の裏面(紙背)にはさまざまな文書があり、それを紙背文書と呼びます。今回はその中から、仮名で書かれた手紙(仮名消息(かなしょうそく))を中心にご覧いただきます。
『延喜式』とは、平安時代に律令制(りつりょうせい)を運用するための細則をまとめたものです。本作は、九条家に伝来した『延喜式』現存最古の写本で、全50巻中27巻が残されています。
紙背文書には、『弘仁式(こうにんしき)』や交替実録帳(こうたいじつろくちょう)など、古代史研究の上で重要な史料がたくさんあります。そのうち仮名消息は、全28巻のうち、本巻第四に1通、巻第二十に2通、巻第三十一に2通の合計5通が知られています。これらの仮名消息は、平安時代・11世紀のものと考えられ、仮名の名品である「高野切(こうやぎれ)本古今和歌集」と同じ頃に記されています。仮名消息は個人的な手紙ですので、「高野切本古今和歌集」と比べると、自由にのびやかに筆を運んでいます。仮名消息のほか、さまざまな紙背文書から、平安時代の貴族の息遣いを感じてください。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
おすすめ | 国宝 | 延喜式 巻四 紙背文書 | 1巻 | 平安時代・11世紀 | B-2370-3 |