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メールマガジン

2013年

10月 (2013年10月28日)

TNM―――――――――――――――――――――――――――
東京国立博物館 メールマガジン 2013年10月28日
No.655:上海展の楽しみ方
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週末の台風接近の被害がうけた地域の皆様。心からお見舞いを申し上げます。
土曜日は上野も強い雨。庭園開放初日から雨天中止となりました。
今週からはすっきりとした秋晴れが期待できそうですね。

《目次》
1.特別展「上海博物館 中国絵画の至宝」の楽しみ方
2. 特別展「京都」国宝 上杉本は11月4日(月・休)まで
3.東京文化財ウイーク始まりました!
4.催し物情報
5.展示替え情報
6.トーハクからのお知らせ


1. 特別展「上海博物館 中国絵画の至宝」の楽しみ方
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その1 音声ガイドで画と詩を楽しんで!
中国の絵画は、画のなかに作者や鑑賞した人の詩や感想が書き込まれています。
それらを読んで、味わうことができれば、より深く絵の魅力を味わうことができるはず。
そこで活用いただきたいのが、画中の詩やその詩を通して文人たちの生き様に思いを
馳せる音声ガイドです。作品を前にして、目で楽しみ、耳で楽しむ。中国絵画が何倍も、
いや何十倍も楽しくなるはず。本展の担当研究員・塚本麿充も声で参加しています。

その2 ぺたぺた押された印にも注目!
中国の書画には、歴代の所蔵者やその作品を鑑賞した人が、作品の余白に印鑑を押す
ことを許されました。
この印鑑を見れば、作品の伝来をたどることもできます。また、有名な人が所蔵していた、
見た、ということでその作品に箔がつくことも。
ところで、作品に最も多い印を押したのは、おそらく清の乾隆皇帝でしょう。展示室では
ぜひ乾隆の文字を探してみてください。
民間人として、最も多く押したのは、明時代の収蔵家、項元べんだそうです。
この二人の印鑑が確認できる天下の名品・青卞隠居図軸は、明日10月29日(火)から公開
ます(塚本イチオシ!だそうです)。

その3 日本と中国。文化交流の歴史をかみしめて
本展は、東京国立博物館と上海博物館の長年にわたる学術交流の成果として開催されました。
1089ブログでは、当館元副館長で長らく中国絵画の研究に携わってきた湊信幸さんの
インタビュー「上海博物館展特別企画~湊信幸氏に聞く、中国絵画への想い~」を掲載。
→ http://bit.ly/1alnTFS

湊さんには、両館の交流の歴史やこの展覧会が開催されるに至った経緯などを語って
いただきました。湊さんは、このインタビューのなかで、日本に伝わった宋元画は、
日本人の好みに沿ったものであり、中国絵画の「本流」とは別の流れであることを指摘しています。

「東博の毎年秋の中国書画精華もそうですが、日本で中国絵画の名品展を開催すると、
東山御物をはじめとする、李迪、馬遠、夏珪などの南宋の院体画、牧谿、梁楷、因陀羅などの
水墨画や寧波あたりの宋元仏画などが中心になってしまいますが、今回はそれとは全く違います。
日本にはほとんど存在しなかった、しかし、中国できちんと伝来してきた元の倪さん、王蒙や
明の呉派を代表する文人たちの、中国絵画の「本流」といわれるものが来日していることです。
これは誠に意義深いですね。」

そう、この展覧会では、いままで私たちが知らなかった中国絵画のもう一つの流れが、見られるのです。

そして、その会場となる東洋館について、湊さんはこんな風に語っています。

「東洋館は、アジア諸地域の文物をまとめて総合的に見ることのできる日本最大の施設であり、日本が
絶えず外国とつながっていることを、作品そのものを通して知ることができる場所だと思います。」

この展覧会が、日中の交流の長さと深さを、そして日本文化を今一度見直していただく機会に
なればと思います。

上海展関連ブログシリーズはこちら
塚本研究員、トーハクくん、特別展室の高木ちゃんが、ご案内役を務めます
→ https://www.tnm.jp/modules/rblog/index.php/1/category/51/

上海展の詳細・展示替え情報はこちら
かなり多くの作品が展示替えされますので、後期も是非お見逃しなく!
→ https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1622


2. 特別展「京都」 国宝 上杉本は11月4日(月・休)まで
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10月8日(火)~12月1日(日) 平成館 特別展示室

特別展「京都―洛中洛外図と障壁画の美」は11月5日(火)に展示替えを行います。

洛中洛外図のうち、
下記3件は11月4日(月・休)まで
国宝 洛中洛外図屏風 上杉本 狩野永徳筆 室町時代・16c 山形・米沢市上杉博物館蔵
重文 洛中洛外図屏風 歴博乙本 室町時代・16c 千葉・国立歴史民俗博物館蔵
重文 洛中洛外図屏風 勝興寺本 江戸時代・17c 富山・勝興寺蔵

下記3件は、11月6日(水)から
重文 洛中洛外図屏風 歴博甲本 室町時代・16c 千葉・国立歴史民俗博物館蔵
重文 洛中洛外図屏風 福岡市博本 江戸時代・17c 福岡市博物館蔵
重文 洛中洛外図屏風 池田本 江戸時代・17c 岡山・林原美術館蔵

下記1件は、全期間展示します。
重文 洛中洛外図屏風 舟木本 岩佐又兵衛筆 江戸時代・17c 東京国立博物館蔵

その他、展示替えの詳細はこちら
→ http://bit.ly/17n5fAW
展覧会公式HPはこちら→ http://www.ntv.co.jp/kyoto2013/


3. 東京文化財ウイーク始まりました!
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10月26日(土)~11月4日(月・休)(特別公開期間)

毎年文化の日(11月3日)を中心として、東京都内全域の文化財の公開や講演会などの
催しを行う「東京文化財ウィーク2013」。今年は、トーハクも初参加。
東京都指定有形文化財に指定された「虫豸帖(ちゅうちじょう)」 の公開(本館8室にて
11月10日(日)まで)、特集陳列「江戸城」(本館16室、12月23日(月・祝)まで)、「江戸城」
の講演会(12月7日(土))でエントリーしています。
さらに、通年公開の部では、本館、表慶館、旧因州池田屋敷表門(黒門)、旧十輪院宝蔵の
4つの建築物もエントリー(いずれも重要文化財)。解説を掲載した文化財カードを本館
インフォメーション、表慶館休憩スペースにて配布しています。

東京文化財ウイーク参加企画の詳細は1089ブログで紹介しています
→ http://bit.ly/1alnDGQ
東京文化財ウィークのパンフレットはこちら(東京都生涯学習情報)
→ http://www.syougai.metro.tokyo.jp/sesaku/week.html


4.催し物情報
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★イチオシ情報!★

◇11/1(金)「古典の日」は列品解説がもりだくさん!

聖徳太子絵伝について 11:00 ~11:30 東洋館TNM&TOPPAN ミュージアムシアター
日本陶磁の展開 14:00~14:30 本館13室
国宝 良源遺告 16:00~16:30 本館2室
法隆寺献納宝物と聖徳太子伝承 18:30~19:00 法隆寺宝物館第4室

古典の日について知りたい人は1089ブログへ→ http://bit.ly/17jXBr2

◇創エネ・あかりパーク2013 上野公園噴水広場で開催
10月31日(木)~11月4日(月・休)

美しく楽しい明かりが大集合。太陽光発電や風力発電に加えて人力発電など、
さまざまなエネルギーを知って体験出来る、参加型のイベントです。
(主催:「創エネ・あかりパーク2013」実行委員会)
当館の本館正面にも風神雷神図屏風など、当館の所蔵品の画像が投影されます。
また、イベント開催にあわせて、開館時間を延長します。
11月1日(金)~3日(日・祝)20:00まで開館、11月4日(月・休)18:00まで開館


★ただいま申込受付中!★
◇総合文化展 関連事業

<ワークショップ> アートスタジオ 勾玉作り体験 申込締切 11/11(月)必着
12/7(土)、12/8(日) 11:00~11:50 本館地下教育普及スペースみどりのライオン

詳細はコチラ→ http://bit.ly/17jX2xt

◇特別展 関連事業
受付中

<講演会・講座> 特別展「クリーブランド美術館展―名画でたどる日本の美」記念講演会
                            
(1)「日本絵画のABC―物語世界にあそぶ―」申込締切 12/1(日)消印有効
2014/1/19(日) 土屋貴裕(平常展調整室研究員) 13:30~15:00
平成館大講堂 定員380名(事前申込制、応募者多数の場合抽選)

(2)「笑う美術館館長 名画を語る」申込締切 12/15(日)消印有効
2014/2/2(日) 河野元昭(秋田県立近代美術館 館長) 13:30~15:00
平成館大講堂 定員380名(事前申込制、応募者多数の場合抽選)

<講演会・講座>
日本伝統工芸展60回記念「人間国宝展―生み出された美、伝えゆくわざ―」関連企画

シンポジウム「日本工芸の21世紀を考える」申込締切 12/8(日)消印有効
2014/1/25(土) ドナルド・キーン(コロンビア大学名誉教授)ほか 13:30~15:00
平成館大講堂 定員380名(事前申込制、応募者多数の場合抽選)

トークイベント「日本の工芸を語る」申込締切 12/15(日)消印有効
2014/2/1(土) 中田英寿(一般財団法人TAKE ACTION FOUNDATION 代表理事)ほか 13:30~15:00
平成館大講堂 定員380名(事前申込制、応募者多数の場合抽選)

詳細はコチラ→ http://bit.ly/1alok2Q


◇このほか、当日受付の可能な催しは
今日の催し物、向こう1週間の催し物
→ http://bit.ly/17jXawX


5.展示替え情報
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◇10/29(火)~
■特集陳列 描かれた風景―憧れの真景・実景への関心―
本館特別1、2室 12/8(日)まで
近世風景画を中心に、版本・浮世絵、さらには中国・朝鮮絵画もあわせて展示することにより、
日本のみならず、広く東アジアにおいて起きた風景画の様相を展示します。
重文 陸奥奇勝図巻 池大雅筆 江戸時代・寛延2年(1749) 九州国立博物館蔵 など

■特集陳列 本州最西端の弥生文化―響灘と山口・綾羅木郷遺跡―
平成館考古展示室 2014/3/9(日)まで
下関市立考古博物館が所蔵する綾羅木郷遺跡から出土したさまざまな土器・石器・装身具や
食料関係遺物をはじめ、信仰関係遺物および日本海側の弥生文化に特徴的な土笛などで、
本州最西端の特色ある弥生文化を紹介します。

土笛 弥生時代(前期後半~中期初頭)・前3~前2c 山口県下関市大字綾羅木字岡ほか
綾羅木郷遺跡出土 山口・下関市立考古博物館蔵 など

■仏教の興隆―飛鳥・奈良
本館1室 12/8(日)まで
重文 木心乾漆造釈迦如来坐像 奈良時代・8c 奈良・西大寺蔵 など

■仏教の美術―平安~室町
本館3室 12/8(日)まで
重文 親鸞聖人伝絵巻 巻第一 南北朝時代・康永3年(1344) 千葉・照願寺蔵 など

■宮廷の美術―平安~室町
本館3室 12/8(日)まで
重文 浜松図屏風 室町時代・15c 個人蔵 など

■禅と水墨画―鎌倉~室町
本館3室 12/8(日)まで
四季花鳥図屏風 狩野元信筆 室町時代・16c 個人蔵 など

■伎楽面
法隆寺宝物館第3室 11/24(日)まで
重文 伎楽面 師子児 飛鳥時代・7c など


6.トーハクからのお知らせ
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★秋の庭園開放 実施中
10/26(土)~12/8(日) 10:00~16:00
しっとりした秋の風情をお楽しみください。
※荒天時、またその翌日は中止になることがあります。
正門の掲示などでご確認ください。
→ http://bit.ly/17n7nZr

★ミュージアムグッズ トーハク限定新商品のご案内
絵はがきセット「東京国立博物館日本美術五十選」(56枚入)4,410円(税込)
好評発売中の書籍「日本美術五十選」を絵はがきセットにしました。
お土産に、海外のご友人へのプレゼントにいかがでしょう。

★「京都―洛中洛外図と障壁画の美」チケットの半券は、会期終了後の
12/3(火)~12/23(月・祝)まで、正門総合文化展チケット売場にてご提示
いただければ、総合文化展を半額でご覧いただけます。

★託児サービス実施中
→ https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1576

★「写真・口コミ」募集中 ウェブサイト・ユリノキひろば
お気に入りの展示シーンや作品について、画像とコメントを募集中。
掲載された方から抽選で毎月3名の方に無料観覧券やカタログ等の賞品をプレゼント。
→ https://www.tnm.jp/modules/r_yurinoki/

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◆開館時間のお知らせ◆
特別展開催期間中の金曜および、
11月2日(土)、3日(日・祝)は20:00まで、11月4日(月・休)は18時まで開館。
入館は閉館時間の30分前まで。

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