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亜麻布を貼り併せたカルトナージュ棺に入っている。明治37年に当館の前身,帝室博物館に,エジプト考古庁長官であったガストン・マスペロによって寄贈されたもの。直後に棺は切開され,現状の「身」と「蓋」に分けられた。棺表面にかけられた真っ黒な液体で,大半が見えなくなっているが,神々の像や銘文が彩色で描かれている。死者の名前は「アンクムートの息子,パシェリエンプタハ」と解読されている。黒い物質が付着した棺は他にもいくつか知られているが,目的はいまだに謎である。