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寂びの茶碗の代表格として有名な大井戸茶碗の内,五指に入ると言う定評が与えられ,かつて織田信長の弟有楽斎が所持していたところから「有楽」の銘を持っている。まことにはんなりとした優美な大井戸で,ゆるりとした曲線美はいかにも女性的であり,赤みを含んだ枇杷色の釉薬もしめやか。高台際の長石釉の縮れ(梅花皮という)も整っておとなしい。豪放な喜左衛門井戸とは対照的な作風を示している。