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奈良三彩は,唐三彩に倣ったわが国初の本格的な施釉陶器である。肩の張ったこの壷は明治年間に大阪府茨木市安威大織冠山で石櫃中より出土した。身の方は埋納時に鉛釉の色釉が剥落し,わずかに蓋に緑・褐・白の色釉が残る。今の姿から想像するのは難しいが,往時にはその美しさで奈良朝貴族を魅了したことであろう。