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佐藤一斎(1772-1859)は,幕府儒官となり,門人三千人ともいわれた儒学の大家で,生涯の節目に渡辺崋山や椿椿山に描かせた数点の肖像画を残す。そのうち,この五十歳像は,儒学の弟子であった崋山が,十数度の画稿を重ねた入念な作。眼や口など顔の表現に徹底した写生の成果が表れている。図上に貼付された賛は,3年後に一斎自身が書き加えたものである。