こんなところにご注目ください
この菩薩半跏像は、いくつかの木材を組み合わせた木彫の仏像としては世界最古のものです。この新しい技法により、一つの木材から指先まで彫り出した一木造(いちぼくづくり)の像ではできなかったデリケートな表現が可能になり、これを制作した仏師たちは、理想的な美の創出に成功したのです。いわゆる寄木造(よせぎづくり)がこのあと300年以上先まで仏像制作に使われなかったことを考えると、技術的にもとても珍しく貴重な作品です。
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1. 表情・指先
片手を頬にあてて何かを思う姿です。かすかにほほえむ美しい表情は「アルカイックスマイル」の典型といわれます。中指の先がほんのわずか頬に触れている様子は、この像ならではの絶妙な表現です。
2. 衣
裳(も)と呼ばれる巻きスカートのようなものを身に付けています。すその部分に見られる「品」という字のようにみえる衣文は、この時代(飛鳥時代)の特徴です。
プロポーション
像が坐っている丸い椅子状の台座の下には、「反花(かえりばな)」と呼ばれる花びら形の底がついています。像全体が、この反花の外側と像の頭頂部を結ぶ円すい形の中におよそ納まるようプロポーションが完璧に整えられています。
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3. 光背
お像のうしろにあるのは光背(こうはい)といい、クスノキの一枚板でできています。まん中に蓮華が開いて、周りをハスの茎が囲み、その外側を小さな仏が取り囲み、雲が湧き上がる様子が見えます。
4. ヘアスタイル
頭のてっぺんに二つのまげを結い、両肩に長く垂れた髪は先がカールしたおさげ髪のスタイルです。これは、髪を表現する当時のパターンで、植物のわらびに似ていることから「蕨手(わらびて)」と呼ばれるようになりました。
5. ポーズ
丸い椅子状の台座に坐って片足を腿(もも)にのせるいわゆる「半跏」のポーズ。左肘を曲げ手で足首をぐっと体側に引く動きを見てとることができます。
6. 左足
左足を置く位置が通常の半跏像に比べて高く、足の指先がわずかに反りあがっています。これは、今まさに足を地に下ろす瞬間をとらえたものです。
後ろ姿もすてきです
まっすぐな背筋と滑らかな背中は、一流のアスリートもかなわないきれいな逆三角形。現代にも通じる理想の肉体の美が実現されています。今回の特別公開ではお寺では絶対に見ることができない後ろ姿もじっくりご覧いただけます。
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